5月8日~9日に、宮城県山元町GRA農場を舞台に、同町山下中学校2年生を対象とした「職業体験プログラム」が実施されました。当日の様子を、GRAスタッフとして東京から駆け付けてお手伝いをした東国原 守さんがレポートしてくれました。
- 実施概要
2013年5月8日〜9日にかけて、山下中学2年生の「職業体験プログラム」のお手伝いをいたしました。宮城県山元町にある同校の2年生6名がキャリア教育の一環としてGRA農場での作業を体験しながら、「はたらくとはどういうことか」を考えるプログラムです。
初日、GRA農場を見学したときは、生徒達は最先端技術に目を丸くして橋元さんのお話に聞き入っていました。また、事前に考えて来た質問を農場で働く方々に聞いたり、インドに駐在する社員とスカイプを通じて話し合いを行ったりしながら「はたらくことのやりがい」を学びました。午後には雑草取りや、葉かきといった具体的な農園の作業に入り、生徒達はイチゴの収穫に至るまでの重要な作業を肌で実感していました。
二日目は、トマト農園のお手伝いを終え、待ちに待ったイチゴの収穫に挑戦しました。様々な種類のイチゴを前に、我先にとイチゴを収穫していく生徒達の姿を見て、私も橋元さんも元気を貰ったような気がします。最後には、皆でディスカッションの場を設け、「はたらくとはどういうことか」を再び考えてみました。
- 生徒の声
最初は「ハウスの中、暑くてやだ〜」と言っていた生徒達も、いざお手伝いが始まると黙々と作業に集中している様子がうかがえました。「自分が摘み取った葉っぱや雑草の量を見ると、もっと集めたくなる」「どうやったら上手く摘む事が出来るんだろうって考えながら作業をしています」「競争しながらやると時間があっというまに過ぎていきます」「大きくておいしそうなイチゴを取れたときが一番嬉しい」といった声や感想が聞こえて来ました。
概して、作業が終わると生徒達は汗でびっしょりになりながら「楽しかったです」と声を合わせていました。
- 参加しての感想、学び
私自身が中学生の頃を思い出しながら、数多くの学びを感じたプログラムでした。生徒達のフレッシュでエネルギッシュな様子を見ているとこちらも元気を貰えます。時間を忘れて生徒達と共に作業に没頭してしまいました。
その中で、GRAの取り組みは現代の日本が抱える問題と真正面から向き合っているものであると実感しました。都会で生まれ、都会で育って来た人間は「被災地のいま」、「地方のいま」を肌で感じることは出来ません。今回、ITを駆使した農業の最前線に触れる事が出来、時代の大きなうねりのなかでどうやって日本が生き残っていくのか、農業が生き残っていくのか、地方が抱える問題と向き合っていくかを直に学べたような気がします。
同時に、「志を育てる」作業はまさにイチゴを育てることと似ているように思います。丁寧な作業を通じて種から育て、その後しっかりとした実をつけるまで手入れをしてあげる必要があります。今回参加してくれた生徒達が、今日、明日に大きな志を芽生えさせて社会に飛び出ていくということはないかも知れませんが、5年後、10年後に大きな実として育て上げられる機会になったのであれば幸いです。今回お世話になった橋元さんを初め、多くの方々に貴重な気付きを頂きました。改めて感謝致します。
以上