■3日目(1/9日、農村見学と地元の人たちとの触れ合い
宿泊したホテルの朝食について。
結構好評だったのが、「マサラドーサ」という細長いクレープ。炒めたジャガイモと野菜を包んだもの。塩味も嬉しい。目玉焼きは、黄身の色がやや緑色。鶏が食べる餌に影響されるのだとか。ブラックのコーヒーという概念がプネにはなく(ムンバイではあった)、ホットミルクに、インスタントコーヒーを入れる。銘柄はネスカフェ。コーヒーのことを、ネスカフェというぐらい。
さあ、今日は午前中に農村ツアー、午後はいよいよイチゴ農場!
【農村でのふれあい】************************************************
今日はエリカさんが合流。ツアー参加者の高校時代の友人で、インドの方と結婚して、2年ほど前からプネに在住。GRAのイチゴ農場については現地新聞でも知っていたとのこと。しかし、インドに嫁ぐなんてすごい根性(本人はあらそう?って感じ笑)。現地視点で、貴重な情報をいただく。 ※写真左、真ん中は旦那さん。
この日はICAというグローバルで地域開発等に携わっているNPOの方が同行、案内。ICAはイチゴプロジェクト始動当時からビニールハウス構築や現地とのネットワークづくりで協力関係にある。
最初に、ムルシ地区という農村地帯へ。一軒の個人宅を訪問。
そこで見たものは、人の排泄物を溜めておき、発生するガスをコンロの燃料に使うリサイクルエネルギーシステム。
システムといっても極めてシンプルな構造で、屋外のトイレがそのままタンクに繋がり、そこで発生したガスを家庭で使うというもの。必要に応じて薪やプロパンガスも併用するらしいが、これぞ究極のエコ。ICAは、下水やエネルギーインフラの未整備な農村エリアへの普及活動を行っている。ちなみに、岩佐さんは以前ここでちょっとした凡ミスをおかし、う○こまみれになったとか。さすが、スケールが違う。
ここで「一軒一軒に作るよりも、どこかに一括大量処理可能なシステムを作った方が効率的なのでは?」と当たり前の疑問が湧く。でもそれは現地事情を知らない浅薄な考えだと気付かされる。そんなもの作ったところで、誰が責任もって運用・管理していくのか、とのICA説明。なるほど確かに。。日本、先進国を前提とした発想から抜け切れてない自分に気付く。こういう実情も、現場を体験しないと分からない。
そのままみんな家の中に入れていただく。
住んでいる個人宅に外国人を入れてくれるのは、GRA、ICAが村人から信頼されている証拠。石と木とトタンで作られた家。キッチンには食器が充実。家の奥では牛が飼育されている、というかもはや家族の一員か。ミルク、労働、干して燃料となる牛糞を提供してくれる。
祖母とお孫さんに挨拶。
部屋にかけられたサムスンの大型液晶テレビ。プネの街に働きに出ている息子が買ったらしい。そういえばムンバイのスラムでも、多くの家にパラボラアンテナが設置されていた。インドでは、TVと携帯電話の優先順位が明らかに高い。
そして、近くのカタルカダック村にあるヒンズー教の寺院へ。
熱烈な歓迎の証か、大勢が出迎えてくれる。太鼓が叩かれ、ツアー参加者全員の顔に赤い印をつけてくれる。
寺院の中で、村人との交流会。村長は女性。インドでは極めて珍しい。
チャイが振舞われる。こういう交流もツアーの醍醐味。個人旅行では体験できない。
「農村にNPOが入って一番変わったことは?」「村近くの川の水を汲み上げ、灌漑を行い、農作物の水を確保できるようになった。今まで、芋、玉ねぎだけだったのが、麦、唐辛子の収穫ができるようになった。野菜の種類が増えたおかげで色んな売買ができるようになった。女性の労働機会が増えた。」
「長い伝統的な生活習慣を持つ中、NPOが入ってきて新しい生活を提案し、取り組みを始める。すんなり受け入れられたのか?」「他の村で成功していたから、うちの村も絶対成功したいって思った。だから嫌じゃなかったのよ」
村の人の感情、考えに直接触れることで、いろんな発見がある。
そしてランチは女性だけで経営しているレストラン(カンボジ村)にて。メニューは期待を裏切らずカレー。そしてインド式の天ぷら、等々。いずれも美味い!
日本とインド農村の女性同士、家の中でランチを食べながら語り合う(入りきれない男性陣はテラスにて)。女性同士の会話では、労働収入、ICAの人が帳簿の付け方を教えることによる金融リテラシー向上、それらによって芽生えた自信、社会との関わり、などが起きている。カタルカダック村の女性村長といい、もともと低い女性の地位・環境に変化が起きている。
道路わきに建てられたJICAの看板が目に留まる。ここは開発モデルになっているっぽい。政府やNPOの力だけでは開発力に限界がある。だから民間企業の経営資源ももっと活用して互いに連携すべきでは、という流れが世界で広まっている。いわゆるトライセクターでの開発。そう、GRAのイチゴプロジェクトも単なる利益を生むことが目的ではない。政府と協力するNPOと連携して、イチゴ農業を通じて、現地の雇用や技術レベル向上に寄与し、地域とともに発展していく。利益と地域開発の同時追求。これもGRAがチャレンジしていることだ。
それにしても農村の心地よさは格別だった。すっきりした青空、太陽の光が降り注ぎ、木陰で一息つく。感じるそよ風。のどかな静けさ。しばし、心を洗濯。
そして、1時間ほどバスに乗ってイチゴ農場へ。